財務省を敵視する元官僚政治家の危うさ
まるで投資におけるハイリスク・ハイリターン狙いのように、玉木雄一郎代表は財務省に対して強気の減税要求を突きつけています。私は中堅コンサルタントとして経済分析に携わる身ですが、この動きには首をかしげざるを得ません。かつて個別株投資で大きな損失を出した経験から学んだのは、派手な動きよりも地に足のついた堅実な戦略の重要性です。
財務省OBたちが玉木氏を「劣等官僚」と評する背景には、彼の非エリートコース的な経歴があるようです。同期の中島朗洋氏や吉野維一郎氏が第一選抜だったのに対し、玉木氏は他省庁への出向が多く、財務省内では期待値以下との評価だったと記事は指摘しています。これは、実力主義の組織における評価として、むしろ当然のことかもしれません。
特に気になるのは、「103万円の壁」の見直しについて、玉木氏が178万円への引き上げを主張している点です。これによる7兆~8兆円もの税収減は、s&p500に投資する私からみても、あまりにリスキーな提案です。全国知事会や全国市長会が反対しているのも、当然の反応でしょう。
財政規律を守る財務省の現実路線に期待
財務省が示す120万円程度への緩やかな引き上げ案は、インデックス投資のように着実で堅実なアプローチだと評価できます。日々の株価動向を注視する私の目からみても、急激な財政出動は市場の信頼を損なう恐れがあります。
さらに玉木氏は、プライマリーバランス黒字化目標の3年先送りまで提案していますが、これには強い違和感を覚えます。府中市に住む4人家族の世帯主として、子どもたちの将来に大きな借金を残したくはありません。広島から上京して20年、日本経済の現実を肌で感じてきた者として、安易な財政規律の緩和には反対です。
いま必要なのは、玉木氏のような派手な政策提案ではなく、財務省が示すような現実的な路線ではないでしょうか。私は休日にはロードスターでドライブを楽しむ一方で、将来は水素自動車への移行も視野に入れています。それと同じように、経済政策も現状と将来のバランスを取りながら、着実に前進させるべきだと考えています。
かつての野党のような反体制一辺倒ではなく、与野党が建設的な議論を重ねることで、はじめて日本の未来は開けていくはずです。石破政権下での「部分連合」という新しい政治の形に期待しつつ、その中身が財政規律を守る健全なものとなることを願ってやみません。